『マリア様がみてる』を読んで

 僕は中学校、高校と、部活や学校生活において先輩に何かを教わるということはあまりなかったので、先輩と後輩がどういう関係を築いていくのかということに関してはとても疎かったように思います。しかし、この本を読んで、先輩後輩がどのように信頼関係を結んでいくのかを見ることができたと思います。

 この本に出てくる、私立リリアン女学院には姉妹(スール)というシステムがあります。姉妹は姉が妹を導くように、先輩が後輩を指導することを目的としたシステムで、いつの間にか個人的に強く結びついたふたりを姉妹と呼ぶようになったそうです。正直ちょっとキチガイじみていると思いましたが、実際女子校というのはそういうものなのかもしれません。温室育ちもいいけれど、あまり外と遮断してしまうと二次元の人たちみたいにどこか倒錯してしまうのが世の常ということなのだな、と思いました。

 主人公の祐巳はなりゆきで憧れの先輩である祥子の妹にしてもらえそうになりますが、あと一歩のところで自分から断ってしまいます。なりゆきではなく、きちんと認められて妹になりたい、という願いからの行動でした。確かにたなぼた的な出来事にはろくなことはなさそうですが、僕はそれでもこの祐巳の行動をすごいと思いました。僕ならきっと二つ返事で応えたでしょう。甘い話にはなにかウラがある、といういい教訓です。

 一度は断った祐巳ですが、最後には自分から『妹にしてください』と頼みますが、今度は祥子が断ってしまいます。きっと祥子と一緒に学園祭を作っていくうえでお互いに相手のことを知り、祥子も中途半端な気持ちで祐巳を妹にしてはいけないと気付いたのだと思います。僕も勢いだけで人を誘ったりしてきましたが、無意味に山に登ってみたり動物園行ってみたりするのはやっぱりよくないと反省して、これからは人の都合も考えて行動しようと思いました。

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参考サイト

 

非常に読みやすく、書きにくい題材でした。