価値観は環境から

平日の昼から銀座まで行って『オール・ザ・キングスメン』を見てきました。銀座の宝塚劇場の隣でやってたものだから、外は塚ファンのおば様、お姉さん方が入り待ちしてて不思議な空間になってたけど、予想通り、映画の観客はもう退職してそうなおじ様達ばかりでした。この層は映画業界もこの先いっぱい取り込んでおきたい層なのでしょう。

もともと一度映画化されてたもののリメイクだったらしく、確かにどこかで聞いた題名だな、とは思ってました。初めから最後まで救われる場面はなく、ただ『善、悪とは』、『傍観者であり続けること』というあたりを問い続けます。

劇中で、州知事に当選したあと汚職に手を染めていくあたりが、意図的にそうしているんだろうけど、今まで見た作品でも、権力を手に入れると人が変わる、というのは典型的な展開だっただけに、新鮮味がなかった。そこが主題でもあるんだけど、そこには葛藤とか越えるべき一線はなくて、気付いたらそうしなくてはいけない状態にあるってことなんだろうか。

善がどこか生まれるかは知らないけど、先天的なものではなく、ある種相対的なものとして考えているところらへんは共感できました。ペドも自殺も遺伝的要素より環境による要因の方が大きいと思うし。幼少のときの環境が人格形成に強く影響するということは有名だけど、成人になってからだって環境は人を変えるだけの影響力はあると思うし、職場選びもそういう意味で非常に慎重になるべきなのかもしれませんね。