腐女子

しばらくぶりのエントリーがこれか、とも思うけど。
あんまり筆不精にもなりたくないという言い訳をつけて。

腐女子を見た。
僕の周りにも一線を越えかけている娘さんたちはいるものの、完全にあっち側だと思ったのは初めてだった。
本屋で『ファミ通』を立ち読みしていたところ、ゲーム雑誌とだいたい同じ棚に『Newtype』やら『アニメージュ』などのアニメ雑誌があり、そこで小さめの女性が雑誌を立ち読みしていた。
もともとそのコーナーに女性がいること自体が珍しかったこともあり、ちょっと気にしてみると、横から友人らしきもう一人の女性が来た。

どうやら法科の学生らしく、ナンタラ法の教科書が品切れだ、みたいな事から話が始まった。呪詛法や免疫染色法、呼吸法の類ではなかったと思う。
ひとりがひとしきりしゃべると、立ち読み中の方が雑誌を見ながら話し始める。

『この投稿してる奴、私が中学のときから結構載ってるんですけど、最近ペンネーム変えやがったんですよ』
『割に大したことなくないですか?』

その後も延々と会話は続いていたのだが、少なくとも
1) お互いに敬語で話す
2) キャリア4、5年の投稿者の話題は特別でもない
3) でも丁寧なのか汚いのかよく分からない言葉遣い
加えて、メガネをかけた小柄な二人組に対する偏見もあり、
『この子達…腐女子だ』
とハッピーマンデー前の土曜日みたいな閃きを得た。

BLを匂わせる発言をしていないところからすると、腐女子と断定するには手落ち、定義間違いだと思うところもあるだろう。
ただ、彼女たちをオタク系だとだけしないのは、その佇まい、法科の学生という表の顔をしっかりと持ちながらも、それと平衡して趣味を持ち続け、その趣味を恥ずかしげもなく公共の場で語るからで、BLとか関係なく『腐女子』と称していいのじゃないかと思う。

別に蔑称しているわけではない。
腐女子という言葉自体、他人から言われる以上に、自分に対して思うことが多いものだと思う。『あんたって腐女子でしょ』と言われるよりも『私、腐女子だし』と思うことの方がなんとなく多そうな気がして。
だから、彼女たちが自虐的に自分たちを腐女子と呼ぶタイプの女性だろうな、という意味で彼女たちは腐女子なのである。