冬眠蝸牛

一週間、二週間なんてあっという間に過ぎていく。
歳を重ねるごとに体感時間もやっぱり加速していると思う。

数週間前にふと気付いたことがある。
ベランダに洗濯ものを干しているときのこと。
近所迷惑ながら、平日は夜中に洗濯してしまうため、干すのも夜中になる。
すると、ベランダの天井隅に小さな影が見える。
特に動くこともなく、じっとしている。
あそらく何かの虫だろうとは思ったものの、好ましくない虫だった場合は気分も悪いし、処分に困る。
そのときはそのまま気にしないことにした。

数日後、今度は朝に洗濯ものを干すときに、『そういえば』と思い出して見てみた。
すると、それはまだ同じところにいた。蝸牛だった。
特に意外な気もしなかったが、この季節にもいるものなのだな、と思った。
冬眠しているのか、そのまま死んでしまっているのか。
分からないけれど、簡単に手が届くものでもないから放っておいた。

数日してから、今度は別のところに移動していることに気付いた。
どうやら冬眠するために心地のいい場所をさがしていたようだ。
この寒いのによく生きているものだと思うけれど、だからこそ冬眠するわけで、
軟体動物という分類で考えれば、空気が乾燥してくる方がよっぽどしんどいはず。
ちゃんと引き篭って乾燥を防いでいるみたいだ。

それでも、いつまでこの場所にいるつもりなんだろう?