苦痛のTOEFL その2

 まもなくreadingが始まるものの、世界史というか古代人類史というか、まったく馴染みのない話が延々と続く。しかも、僕はちゃんと読む文章は基本的にプリントアウトする人種なので、モニター上の英語はどうも読みにくい。なのに制限時間に余裕はない。ここで一つ、英語読みはそれなりに速いと思ってた小さな自信が打ち砕かれた。

 ところが、続いての文章は彗星についてだった。馴染みはないものの、人文学に比べたら全然身近なので、比較的ラクに読むことができた。

Listeningも同様だった。ワーズワースの文学観みたいな全く予想もつかないものもあれば、眼の水晶体の話とかグリア細胞の話など、文章を聞かなくてもある程度答えられそうなものまで、本当に幅広い。でも、確かにアカデミックな内容だというのは本当だった。その分、自分の専門によってだいぶスコアが左右されるのだろうが。

 ここまで終わるとひとまず休憩。と言っても10分しかなく、パソコンの画面では休憩時間のカウントダウンが始まる。ちょうど昼時だったとはいえ、ごはんを食べに行く余裕はないので、外の空気を吸ってからすぐに帰ってきてぼんやり過ごす。

 カウントダウンが終わるとspeakingのテストが始まる。出されたお題について15秒考えて自分の考えを45秒で述べるというものだったが、致命的なことにお題の意味が掴めなかった。なんとなく、『価値は認めるが自分ではしたくない仕事について』みたいに解釈してみたものの、その解釈が疑わしいこと、15秒では何も浮かばなかったことなどの状況のもと、内容の薄い意見を30秒程度話した後、ネタが尽きて終了。

 次も大学からの連絡文書を読ませられて、それに対する二人の会話を聞いて要約せよ、という典型的なパターンだったものの、大学が何を変えようとしているのかがよく分からないので、二人が何に対して不満なのかなど明らかにできるはずもなく。

 この時点でだいぶ打ちのめされました。

 最後のwriting。何かしら書きさえすればいいのだから、と軽く考えていたものの、中東の遺跡発掘みたいなインディー・ジョーンズを思わせる内容の文章と、それに対する反論を聞かされたところ、ポイントとなる3点のうち、1点しか指摘できず。書くべき内容が分からないのだから、制限時間の半分くらいで筆が止まり、必要であろうとされる分量の半分で終了。それでも最後は自由度の高い作文だったので、何とか一矢報いたつもりです。

 TOEFLは1回目はお試しと割り切った方がいいと聞いたものの、最悪の場合にもう一度チャレンジするのは勘弁願いたい。

あと、テストを前にしたこんな絶望、無力感はもしかすると生まれて初めてだったかもしれません。貧弱なプライドを打ち崩すには絶好の機会だったと捉えようと思います。