脇役のいないストーリー

GOING UNDER GROUND』というバンドが好きです。大学1回生のときくらいから。

メロディと歌詞のちょっと切ない感じが特に。車の中で聞くというよりは、夕方の河原を自転車で走りながら聞く感じ。

そんな彼らの曲の中で、好きなんだけど少し違うんじゃないだろうか、と思えるものがあります。

『トワイライト』という曲なんですが。

基本的にすごく好きなんだけど、サビの歌詞で、

”主役は君と僕で 脇役のいないストーリー”

という2人だけの世界を思わせるところがある。

全部を読むとこれも切なげだと思わされるんだけど、

やっぱり何か違うような気がする。

脇役なしじゃ、ストーリは進まないと思って。

1人芝居とか、掛け合い漫才みたいなものはあっても、

2人だけで進むストーリーはハッピーじゃない。

何か起こったとしても、それは二人のうちのどちらかにしか起因しないのなら、

それじゃ不意にできるきっかけみたいなものは生まれてこない。

友人だろうと恋愛だろうと人間関係なら、実は当事者と同じくらい、

一見関係のなさそうな人間の関わりが重要なんじゃないかと思う。

持ち主不明の忘れ物について尋ねてくるおじさんとか、

気まぐれに人恋しくなってそれとなく人を呼びつける青年だとか、

そういう、いてもいなくてもいいような類の人間が不思議なタイミングで

投げかけてくるきっかけっていうのを軽んじちゃいけないんじゃないかって。

そんなストーリーをひとり感じた、京都ハーフマラソンの前夜です。