科学未来館に行ったときのこと。
情報通信技術やら、宇宙開発、深海探索などいろんな分野がある中で、そこにはやっぱり医療、生命科学の分野の展示もありました。
自分の専門分野ではあるので、見ている限りだいたいは理解できて、一緒に行った友人にもうまく伝わっているかはともかくとして、それなりの説明はできてたつもり。
そんな中、まさに医療のブースに『レントゲン写真』の展示があり、胸部X線写真が飾られている。
ここでも、この辺が横隔膜、心臓、大動脈、みたいな基本的な説明はできたものの、横の説明を読むと、
『病変があるので探してみてください』
とのこと。
そんなに難しい症例を使っているとは考えにくいのに、どう見ても変な影はないし、骨折もなさそうだし…と正直全く分かりませんでした。
そうするうちに、友人が壁のボタンを見つけて押してみると、フィルムのバックライトがつき、いわゆる『変な影』が見えました。
ちょうど見慣れていたところだったので、あとはだいたいこんなもんだろう、と言い当てることができました。
典型的な症例だったからでしょうが。
友人に、医者の卵もなかなかやるな、と思ってもらえた一方で、シャーカステンのスイッチも入れずに読影しようとする不慣れな医者もいるんだろうな、とひとり苦笑いでした。