春の不安定

もう四月も折り返しなのだけど、まぁ春になりました。

12年くらい前から春ってあまり得意ではなくて、浮かれる部分はあるんだけど、

どこか安定しないような。

そんな話をするとたいていの人は何となく理解してくれる。

『どこか不安定になってしまうね』

そんな振りをしておきながらなんではあるけど、ここ2年は言うほど不安定にはなっていない。

あー、もう、と思ってしまうことは多いし、明らかに睡眠時間は増えているけれど、

春鬱のようにダウンすることもない。

その原因は分かっていて、周囲に自分以上に問題を抱える人がいるからだ。

去年は重度の恋の病に冒された青年、今年は家庭の問題に振り回されたお嬢様。

恋のキューピットではないし、家庭問題に介入できるような立場でもない。

結局どちらも根本のところでは自分に打つ手はなくて、ただ本人からの話を聞き、少し話し、

いくぶんか心配をする。

そんなことしかできないのだけど、自分と比べると明らかな、言葉で形をなぞることのできる

問題が彼らにはある。

自覚はしなかったものの、間接的に『自分はまだ全然ましなのだ』と思わされていたらしい。

年齢的なこともあるけど、頼ってもらえるくらい余裕があるようにも見えていたのだろうし。

いろいろな生活の変化が精神的に、寒暖の差によって肉体的に、ストレスを与えていることからくる

不安定なのかもしれないけど、否応なく自分を見直さなきゃいけなくなることも一つの原因なのかも。

どちらの問題も僕がどうしようと動くものではないと分かっているのに、

何かできないかと思えたあたりは、まだ自分も捨てたもんじゃないと思える経験でした。