手を添えようとも

女子力という言葉が最近周囲でよく使われる。

『女子力とは?』という議論もよくしたし、今更の感はあるものの、今更によく使われる。

もともとは侮蔑の言葉だったらしいが、もっと簡単な『女の子らしさ』という意味で使われる。

僕の女子力が高い、と指摘するために使われることが多い。

酒の席の勢いで言われるならその場のネタとして流せるのだけど、違うコミュニティの人間に言われ、

もともと友人だけでなく恋人からですら度々かわらしいさを指摘されてきた身としては思うところが

ふたつみっつなのである。

褒め言葉だとしても、30代男が甘受していい言葉ではない。

ご存知の通り外見に女性的なところは全くなく、そこにかわいいということはあり得ないわけで、

仕草や趣味ということになるらしい。

その起源を思い出してみると『両手をジョッキに添えてビールを飲む』ということあたりに行き着く。

確かにジョッキくらい片手で持って飲めと言われればその通りだが、そこはもう癖であり、

片手ではどうも心許ないのだから仕方ない。本場ドイツでだろうと両手で飲む。

他だとそれなりに料理をしてみたり、最近だといちご狩りに興味を示すあたりらしいが、

別にそんな男もいるし、逆にそれあが当てはまらない女性だっていっぱいいるだろう。

結局はなんとなくそう思わせる部分が自分にあったりするという程度なのだと思った。

人から嫌われる要素ではないと思うし、むしろほぼ女子会に黒一点で呼んでもらえたりするなど

いちおうそのおかげできっといい目に合えていると思えることが多いようにも思えるのだが、

こと結婚ということを考えると、そこに近づくには不利な要素のような気がしてくる。

夜中に牛すじを煮込みながら、どんなにおいしいすじ煮込みが作れたとしても、

これで誰の胃袋が掴めるというのだろう?掴めたところでそれが何になるのだろう?

えぇ、そんなことを考えたりしてしまいました。

まぁ、こんなことをわざわざ自分で書くくらいだから、どこかで

『これでいいや。これも自分だ』

という満足感を含んだ諦めもちらほらとあるのだけど。